お知らせ
【研究費増額支援】海外共同研究による最先端神経科学技術の習得 ― 米国ボストンにおける膜電位イメージング研修 ―



本事業の研究費増額支援を受け、医学研究科博士課程の髙村侑希さんが、2025年2月24日~2月28日にアメリカ・ボストンへ渡航し、研究インターンシップを実施しました。
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報告者:高村 侑希
所属研究科:医学研究科
実施した活動の名称:研究に必要な手技習得のための研究インターンシップ
実施期間:2025年2月24日~2月28日
実施場所・機関名:アメリカ(ボストン)・ハーバード大学
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私は、ハーバード大学のAdam E. Cohen labにおいて、最先端の「膜電位イメージング(voltage imaging)」技術を用いた実験の一連の流れ(手術、計測、解析)を集中的に学びました。
滞在中はYi-Chieh Huang博士の指導のもと、wide-field voltage imagingおよびoptogeneticsに必要な手術手技の見学、各種膜電位インジケーターの特性理解、光学系セットアップの習得などを行いました。
また、マウスを用いた膜電位計測のグループミーティングへの参加や、自身の研究発表とディスカッションを通じて、技術的理解のみならず国際的な研究議論の経験を積みました。
さらに、ハーバード大学のUchida lab、MITのGloria Choi lab、Ann M Graybiel labも訪問し、実験見学に加え、研究資金獲得戦略や博士課程に求められる姿勢について意見交換を行いました。
■ 本活動で得られた成果
1.最先端技術の体系的理解
本インターンシップでは、膜電位イメージングを実施するための光源選択、膜電位インジケーターの特性理解、適切な細胞密度やSNR比の設定、長期観察および同一細胞の経日トラッキング手法など、実践的かつ高度な知識を習得しました。
また、自身の研究にどのように新規技術を組み込むかを具体的に検討することで、研究構想力の向上にもつながりました。
2.国際的研究者としての視野の拡大
米国の研究現場では、研究の社会的・経済的意義を明確に示すことが研究資金獲得において極めて重要であることを学びました。
また、研究テーマを研究者自身が主体的に立案する文化に触れ、研究構想力と主体性の重要性を強く認識しました。
英語による専門的議論の経験は、将来的な国際共同研究の基盤形成にもつながる貴重な機会となりました。
■ 今後の展望
私は、記憶想起の揺らぎを調節する神経機構の解明を目指し、脳内ヒスタミン神経の役割に着目して研究を行っています。
今後は、今回習得した膜電位イメージング技術を活用し、ヒスタミン神経活動の変化が扁桃体基底外側核(BLA)神経細胞の膜電位に与える影響を直接検証することを目指しています。
■ 活動全体を通して
訪問先の研究室では、学生一人ひとりが主体的に研究を立案し、議論を通じて研究を前に進めていく姿が印象的でした。
自ら研究を設計し遂行する力の重要性を実感するとともに、英語での議論力向上の必要性を強く感じました。
今後は、研究構想力と国際的発信力の双方を高めていきたいと考えています。

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本事業では今後も、博士(後期)課程学生が国際的な研究環境に挑戦し、世界水準の研究力を養う機会を積極的に支援していきます。
