お知らせ

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【研究費増額支援】GRC Sleep Regulation and Functionへの参加

本事業の研究費増額支援を受け、薬学研究科博士課程の加藤 遥輝さんが、2026年3月1日~3月6日にアメリカ・テキサス州ガルベストンへ渡航し、GRC(Gordon Research Conference)が主催する国際学会(Sleep Regulation and Function)に参加しました。

GRC(Gordon Research Conference)は、科学の様々な分野の最先端の未発表の研究成果を発表し議論するためのプログラムで、参加は選抜を経て可能となる国際学会です。

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報告者:加藤 遥輝
所属研究科・専攻: 薬学研究科 医療機能薬学専攻
実施した活動の名称:海外大学・研究機関へのインターン、海外機関との共同研究等
実施期間:2026年3月1日~2026年3月6日
実施場所・機関名:アメリカ・テキサス州ガルベストン

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 SPRING事業の研究費増額の支援を受け、GRC(Gordon Research Conference)が主催する国際学会(Sleep Regulation and Function)に参加した。本学会は参加者が同じホテルに宿泊する合宿形式で行われ、朝から夜まで密度の高いセッションが組まれていた。睡眠の制御機構、神経回路、記憶・疾患との関係、さらにヒトの睡眠研究まで、一口に睡眠といっても、さまざまな視点からの最先端の研究発表が数多く行われ、各発表後には活発な質疑応答と議論が展開された。

 私は、博士課程で行ってきたメインテーマである「外敵に誘導されるショウジョウバエの適応的な無動状態」についてポスター発表を行った。本研究では、外的脅威に応答して誘導される睡眠様の無動状態が、単なる行動抑制ではなく、生存に関わる適応的意義を持つ可能性を示している。ショウジョウバエの睡眠研究を牽引するトップ研究者と直接議論する機会を得ることができ、論文化に向けて、必要なデータのアドバイスをいただくことができた。


■本活動で得られた成果

 本学会では、睡眠を脳波、意識状態、行動など、どの側面から捉えるかによって研究手法や解釈が大きく変わることを改めて学んだ。また、シンポジウムではPIの先生方が研究背景から丁寧に説明されることが多く、個々のテーマが睡眠研究全体の流れの中でどこに位置付けられているのかを考える機会になった。さらに、PIの方と話す中で、「本当にやりたいこと」や「研究上価値が高いこと」に集中してテーマを進める姿勢を伺い、研究を始める際には、面白い現象を見つけるだけでなく、どのような問いに答える研究なのかを明確にする必要があると感じた。


■研究者としての成長

 一人で国際学会に参加したことで、研究者として成長していくためには、専門性だけでなく、自分から人に話しかけて関係を作る姿勢も必要だと感じた。参加前は、海外の研究者と十分に議論できるか不安があったが、会場や食事の場で何度も顔を合わせるうちに、挨拶や短い会話から少しずつ交流を広げることができた。学生やポスドクの参加者とも親しくなり、昼休みに研究内容について議論する機会もあった。今後も学会などの場では受け身にならず、自分から話しかけ、研究上の相談や将来の選択肢を広げる機会にしていきたい。


■ 今後の課題と展望


 自身の英語力、特にリスニング能力に課題を感じた。ポスター発表については、事前に練習を重ねたこともあり、研究内容を概ね伝えることができたと思う。一方で、複数の参加者が同時に議論を始めた場面では、会話の流れを十分に追えず、議論に入れない場面があった。また、食事中の会話でも相手の発言を十分に理解できず、曖昧な返答にとどまってしまい、悔しさを感じた。この経験から、研究を説明する力だけでなく、その場で理解し応答する英語力の必要性を強く感じた。

■ 活動全体を通して

 本活動を通じて、睡眠研究の第一線で活躍する研究者と直接交流できたことは、大きな喜びであり、刺激であった。学部時代に読んで強く印象に残っていた論文の著者に出会い、「この論文のファンです」と直接伝えることもできた。参加にあたっては、日本のPIの先生方や学生の方々にも多く支えていただき、研究者同士のつながりの重要性を感じた。合宿形式の学会は、研究に関する議論だけでなく、悩みの共有や今後のキャリアを考える上でも非常に貴重な機会であった。


本事業では今後も、博士(後期)課程学生が国際的な研究環境に挑戦し、世界水準の研究力を養う機会を積極的に支援してまいります。


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